食欲と芸風と。

40歳を過ぎても食欲が旺盛な人間だったが、最近になってようやくというべきか、あまり食べられなくなってきた。空腹を感じにくくなってきたというのが正しいかもしれない。

代謝も落ちてきて、ここ2年くらいで太った自覚もあるし、だんだん無茶もできなくなってきた。それでも、美味しいものを美味しいと思う感覚は変わらないし、以前と比べて1食を大切に食べようという気持ちが強くなった。

歳を重ねて深みのある仕事や役回りが少しはできるようになってきた自覚もあるが、一方で、反射神経や瞬発力が必要なこと、向こう見ずにチャレンジするようなことにはだんだん手が出なくなってきた。中堅を過ぎたスポーツ選手や棋士などの気持ちがだんだんわかるようになってきた。自分自身の能力のパラメータが変わっていくとともに、芸風もマイナーチェンジをしていかねばならない。

ままならぬことも多いながらも、人生は続いていくものである。自分にできることは変わらず、その日1日を精一杯に生きることだ。