卒業。

久しぶりに西へ。もうなんとなく春がきている。朝はまだ空気は冷たいけれども、昼間は緩みを感じられるようになってきた。

 

移動のために駅にくると、高校の卒業式とおぼしき集団に出くわす。花束や風船を抱えて帰るのが今風なのだろうか。なるほど、もうそういう季節なのだ。学生という身分は何年かすれば必ず区切りがくる。社会人もまた自分で区切りをつけることはできるし、会社の都合で環境が変わることもあるが、学生のそれとはまた違う。一期一会というか、万物は流転する、ということを感じるし、子どもは区切り、ステップをいくつか踏んでいくことで成長していくものなのだなあと思う。

 

最近は社会人でも、新しい会社に移ることを「卒業する」という言葉をあてていることも増えるようになってきた。でも、本当に卒業試験をクリアしているのか、本当は中退じゃないのか、胸に手を当てて考えてみることも必要なのだと思う。学生の卒業試験と、社会人としての卒業試験は違う。いつか、卒業する日がまた来るのだろう、と思って電車に揺られる。