器。

10年前の年末はいろいろと修羅場だったことを思い出す。とある大きな案件をクロージングさせるべく駆けずり回っていたのだが、直前になっていろいろと想定外のことが起こり、冷や汗をかいていた。最後の最後まで気の抜けない状態だったと思う。文字通り2014年のお正月は腑抜けのように過ごしていた。

結果的にそのディールは大成功で、そのあとこの世界で着々とステップをかけあがっていくきっかけになったので感慨深くもある。人はどこかで修羅場を潜り抜けないと大きくならないというのはその通りで、若くしてそのような機会に恵まれたのは幸せなことだと言えよう。毎年のように修羅場をくぐっているような人もいるが尊敬の念しかない。

さて、今年の年末もそれなりにあくせくはしているものの、まだ余裕のあるほうだとは思う。去年の今ごろはいろいろと右往左往していた。年末なので、ゆっくりと信念を迎える準備ができればそれにこしたことはないが、数年に一度はあの年のように無我夢中でやりきって駆け抜けるようなことがあってもいいのだと思う。修羅場を潜り抜けた分だけ器の大きい人間になれるとはその通りだ。