三体。

前からぼちぼち読んでいた「三体」シリーズをついに読了。スケールには度肝を抜かれることは確かなのだけど、前に聞いたことがある話とどこかオーバーラップする部分もあって、とてつもなく頭のいい人が、この宇宙を捉えると同じような空想に行き当たるのかなと思わされる。いやもしかすると空想ではなくて、具体的にこの世界が見えているのかもしれない。オリジナルの原作自体は既に10年以上前に書き上げられているのだから、それは純粋に驚嘆するのみである。

 

SFはもちろんフィクションであることが大前提なのだけれども、本当は著者にだけは世界の、宇宙の成り立ちが見通せている、などということもあり得ると、わりと本気で思っている。緻密に物語の世界を構築して小説の形に落としていく、というよりは、既にひとりでに脳内にあった構想をそのまま文章として出力する、というのが執筆という行為だと思っているし、そうでなければ一定以上のレベルの感動を読者に与える文章は生み出せないとも思っている。