讃える。

昔の同僚と食事。24歳から一緒に働いているんだよなあ、とふと思う。お互い歳をとるわけである。思い出話も積もるものがある。なにものでもなかった時代、その日その日をがむしゃらに生きるしかなかった時代から、それなりに互いにポジションを掴んで、与えられた環境に我慢したり、我慢できなかったり。そうして飛び出してしまったのが自分で、飛び出さずに耐えたのが彼である。どちらが良いということもない。どちらの人生も、選択も正解でしかない。それぞれに喪失したものがあって、それぞれに巡ってきたチャンスがあって、それをモノにしたりモノにできなかったり。もうここまで来ると大切なのは、その結果どうだったか、ということではなくて、どういう道のりを歩んできたか、ということに収斂されるのだろう。歩んできたこと自体を讃える。そこには肩書きもやってきた仕事も関係がない。

 

まだまだこの物語は続いていく。もう一度人生がクロスすることもあるのかもしれない。またいつでも、他愛のない話で笑いたい。