小さな会社のものがたり②。

(昨日の続き)もちろん、土日もなく働いてきたのだろう。いまの大企業にありがちなワークライフバランスとは一線を画している。それが幸せだったのか、そうでなかったのか、外野がむやみに判断するものでもない。それはそれで、ひとつの人生の主人公として歩んできた道なのだ。

代表は穏やかな人物であった。まだまだ若くて50歳そこそこなのであるが、人生の年輪を感じさせられる風貌であった。労働時間の長い短いではない、なにかを背負ってきた人間だからこそ醸し出せる雰囲気である。自分なんてまだまだだなと改めて思わされた。

40代前半、メガバンクなどでは早い人は出向の話がくる年齢である。人生を巻き返すのに遅いもないとは思うのだが、やはりその時々の年齢相応でしか積み重ねられない体験がある。そして人間の肉体は正直で、いくら経験によって大局観を身に付けようとも、眼や脳がついてこないことがある。役職定年というのはある意味では理にかなった仕組みなのだろう。

自分がここ数年でなにを為すべきか、もう少し歳を取ったらなにを武器にして生きていくべきなのか、考えさせられる会であった。そして、やりきった人間はいつでも格好良いものである。