あの日。

あまちゃん再放送。楽しみながら見ていたらあっという間に残り1か月を切り、東日本大震災当日の回がやってきた。いま見てもハラハラドキドキする内容である。

 

当日の心の描写を、できる限りショッキングなシーンを取り除きながら見せている。心のなかのピンポイントを突いて揺さぶるものの、無用な出血はさせない、というような感じの、絶妙な脚本の組み立てが素晴らしい。

 

もう12年半になるのか、と思うと感慨深いものがある。ドラマで流れる当時の世相や社会風景を見ても、今とは違う時代に見える。あれからもいろんなことがあった。そして、少なくない人たちの精神も狂い、変わってしまった人もいると感じる。

 

「絆」という言葉ももてはやされた。放射能をめぐるモヤモヤも展開された。社会はなにかと分断されていった。いろんなことが震災を起点にして変わっていったのだと思う。そして、これからも僕らは揺さぶりをかけられることになってしまうのだろう。そうなった時に、自分の精神を保つよりどころはどこにあるのだろうか、ということを改めて考えた、今回の再放送であった。