じっと待つ。

息子のピアノの発表会であった。昨年の9月以来のことである。以前はドキドキしながら客席から見ていたのだが、今回はリラックスしながら鑑賞することができた。心なしか息子も、そして今回の参加者も全体的に緩みがちで、フワフワしている感じであったのはちょっと残念であった。


息子自身は、ピアノの腕前は確実にあがっているし、度胸もついてきているとは思うのだが、なんというかもう少し感情をこめた演奏ができないものだろうか、とは思案している。ただ譜面を読んでそのまま弾くだけでなくて、曲の背景や、登場人物の心情などを想像してみて、自分なりの表現を身につけていってほしいと思うのだが、こういうものは教え込んで身につけるものでもないし、自分で見つけていくもの、教えられたとしてもそこから時間が経過してふとなにかをきっかけとして開花するものなのだろう、と思っている。なので、親としてはただ、じっと待つ、というのが正解なのだろう。


周りと比べることも必要ないし、無理にやらせることも意味はない。少しでも彼のなかで化学反応が起こるように、のびのびとやらせて、種を蒔くのがいいのかな、と思っている。