拳闘。

盛り上がったボクシングのタイトルマッチを見て、アラフォーとして思い出すのはやはり辰吉丈一郎である。日本中かどうかはわからないけれども、少なくとも大阪中の小学生は辰吉の世界戦で盛り上がっていたし、テレビでも大々的に中継がされていた。やっぱり2024年という世は暴力的なことがあまり公共の電波では流されなくなったし、万人受けするコンテンツでもなくなったのは確かなのだろう。

 

大阪の下町に行くと、ボクシングの主要な試合がある日は街に人がいなくなる。前に仕事でそんな場所を訪れたときに、長屋が建ち並ぶ街のおっさんにそんなことを言われた。あの街も、それから15年くらいが経ち、再開発がなされずいぶんと綺麗になったはずだ。

 

人と人が拳を介して戦う。そこには人生の縮図があり、人は本来生き残るために闘う存在である、動物たるものであることを証明するものでもある。こころの奥底から熱くなるような、そんな感覚は忘れずにいたい。