クロス。

旧知の人の消息をひょんな形で知った。まるでなにかの運命に導かれたかのように、手と心が勝手に動き、その機会は突然に訪れた。


もう二度と会えないと思っていた、それだけのことを自分はしてしまったとも思っていたが、今日を境に、また必ずもう一度会える、人生をクロスさせることができると確信できるようになった。


久しぶりのその姿は、前よりも確実に自信をつけて人前に出られるようになったと感じられるものであった。自らをコントロールすることもずいぶん上手になったのだろう。そして、必ずや近いうちに大きなことを為すのだろう、というしなやかさを身にまとっていた。


今すぐでなくとも、その人に会える日が来るというだけで、背筋が伸びるし、その時まで恥ずかしい姿でない自分でいたいと思える。そうして、会うことができた暁には、どんな言葉のキャッチボールができるのかと楽しみにしている。焦らずに、その日を待つ。