驟雨。

久しぶりの大阪滞在。縁あって、生まれ育った地元のお寿司屋さんで食事。半年前もこのお店を使わせていただいた。

 

お店の立地上なのか、夜が非常に空いているのである。20時をすぎるとほぼ貸し切り状態になる。職人としての仕事は確かで、自信を持って人を招待できるようなお店だと思う。

 

柄にもなく昔話をしてしまう。昔といっても、ここで暮らしていた子どもの頃ではなく、10年前くらいの頃のことだ。10年ひと昔と言うけれども、いまから振り返れば本当に昔のことに思える。思い起こしながら、ああ本当に、目まぐるしくいろんなことがあったと感じて、それが表情や声色に出ていたようだ。

 

亡くしてしまった人もいる。疎遠になってしまった人もいる。いまはそれ以上の言葉もない。やがて稲光が空に見え始め、ゴウゴウと大粒の雨が窓を叩き始める。ここは地上100メートル、下町なので付近をさえぎるものはないもない。雨粒が降ってきて、このビルはそこまでボロボロになっているのかと思いきや、ただ単に天窓が開いているだけだった。お開きになって、地上に降り、通り雨が去った道を歩き始める。