ゆきづまり。

職場の目の前のホテルにひっきりなしにタクシーが横付けされるようになってきた。必ずと言っていいほど、インバウンドの方がスーツケースを下ろして降りてくる。このホテルはほぼカプセルホテルと言ってもいいくらいの、ひと部屋12平米くらいのコンパクトな部屋で、大柄な欧米人からするとかなり窮屈だろうに、盛況なことである。9割がインバウンドで占められていることだろう。

 

すっかりと東京の風景も変わってしまった。ありとあらゆるところから旅行者が出てくる。この果実を取れているのは誰なのだろう。それくらいに、街は盛り上がっている。コロナ渦で静まりかえった街はいまは昔、である。

 

2020年を境にいろんなことがあり、いまその帰結として、円安は止まらず、持てる者と持たざる者の格差が増している。資本主義はそろそろ限界にきている。かといって、ちょうどよい代替の社会システムも見つからず、世界は漂流していくのだろう。仕事はあるから生きていけることは間違いない。食うための仕事から、なんのために生まれ落ちてきたのかを問い直す仕事へ。まずは、毎日、自分がやれることを、精いっぱいにやりきる。