刹那。

実家から両親が訪ねてきてにぎやかな三連休だった。あっという間に最後の夜になってひまった感がある。昼間の暑さもひいて、ベランダから虫の音が絶え間なく聴こえてくる誰もいないリビングでぼうっとしている。

彼らがやってくるのはたったの3日間だけれども、そのために部屋を片付けたり、モノを買い替えたり、滞在中のプランを練ったりと、かれこれ2週間くらいはなんだかんだと準備をしているような気がする。全てが終わって、普段よりも片付いた家のなかは、宴が終わってしまった後に特有の脱力感にあふれている。

あと何度こうしてワイワイ過ごすだろうかと思う。このペースでいけば、あと50回以上は同じことを繰り返しているような気もするし、もしかするとふいにこの日常も終わるのかもしれない。人生とは、これが最後かもしれない、という刹那の積み重ねでできているのかもしれない。

そんなことを思いながらも、やはり3日間、そしてこの2週間くらいの疲れとそれによる眠気に押し戻されて、その感情を深く掘り起こすことなく眠りにつくことになりそうだ。