セブンイレブンの強さ。

近所に新しいセブンイレブンがオープンするということで、わが家にもスタッフの方がクーポン付きチラシを配りにきた。新しくオープンする店舗よりもさらに近い場所にセブンイレブンが既にあるので、わざわざ日常で使うことはそうないだろうが、オープンセールも冷やかしつつ、様子を伺いに新店舗に向かった。ちなみに場所は、川崎市のなかでもかなり田舎な雰囲気の漂うエリアだ。小さな丘にみかん園があったり、畑が混じる。鉄道駅からも距離があるため、川崎市にしては住民の年齢層は高めで、街の雰囲気は落ち着いている。幹線道路沿いというわけでもないので、地元住民を取り込まなければ店としてやっていけないだろうな、という印象を持つ立地だ。

さて現地へ。広々とスペースが取られた駐車場と、通常郊外でよく見るサイズの店舗である。駐車場の端には宅配用の小型EV自動車が停まっている。おそらくは応援のスタッフも混じっているのであろう、セブンイレブンのハッピを羽織ったスタッフが10人以上動きまわっている。店の前にも簡易テーブルが出され、野菜がかなりの安値で売られている。これはオープン時期限定のものであろうが、普段コンビニで買い物をしない層を野菜で引き込み、店内にも足を向けてもらうという取り組みなのだろう。

自動ドアが開くとともに、コーヒーの匂いが漂ってくる。いまやコンビニの出迎え役はおでんからコーヒーに変わったと言えるのだろう。風船が飾られた商品棚はたっぷりと補充がなされている。特にこの店舗では惣菜コーナーに棚が充てられているように感じた。面白いので少し店内をぶらつきつつ、客がなにを買っているのか観察してみる。立地上やはり高齢者が多い。そしておにぎりや惣菜が売れており、買い物カゴいっぱいに買っていく人も少なくない。値引き販売をしていないのに、価格に納得感がある。なおかつ近くにあり、店内で並ぶことも少なく、買ったものを袋に入れて渡してくれる。こういった点でコンビニはスーパーよりも、高齢者にとって使い勝手のいいものになっているだろうなぁと実感した。事実セブンイレブンの戦略はそこにあるのだろう。

家に戻ってから自宅周辺のコンビニ出店状況を確認した。半径1キロ以内にセブンイレブン10店、ローソンストア100が4店、ローソン、ファミリーマート、サンクスが1店ずつ。完全にセブンイレブンドミナント戦略を効かせている。ローソンもローソンストア100を集中出店させてはいるが、店内通路が狭く、駐車場もなく、品質でも目に見えて劣る。セブンイレブンは10店舗全てに十分な駐車場が併設されているし、どの店舗のトイレも綺麗である。

消費税増税を控えて消費者がますます価格に対して敏感になるなかで、価格以外の要因で消費者の心を掴み、成功を続けているセブンイレブンの実力を改めて見せつけられる。