祓う。

だんだんと会社の経営を俯瞰する立ち位置に移ってきて思うのは、毎年同じくらい、良いことも起これば悪いことも起こるということだ。まるで神の手によってバランスが取られているかのように、平均的に吉凶が入り混じる。何年かそのサイクルを繰り返すと、もうそういうものなのだと受け入れられるようになってくる。幸運が起こった時も、ああこの分どこかで帳尻が合うのだろうなという思いが真っ先に湧き上がってくる。そうなると大切なのは、不運なことが起こった時の心持ちである。不運なことをどのように受け止め、また時によっては受け流すことができるか。また自分が不用意に人さまの心に動揺を与えてしまえば、どこかでその報いを受けることになるし、普段から甘受させられている苦難があれば、これはなんの意図があって起こっているものなのか、と考えを巡らせる。そう思うと、良いことばかりが立て続けに起こるのはむしろ怖さを覚えるし、悪いことが重なっても、これは貯金だと捉えることができるのである。