パワー。

学生時代になじみのある場所の近くにやってきた。大学や宿舎の周辺というのは年に1度くらいはふと訪れることもあるのだが、この某所に来たのは20年ぶりくらいになるのだろうか。少なくとも大学卒業からは訪れていないと思う。

すっかりと記憶のかなたに消えていたのだが、20年以上前の思い出深い場所であることには変わりない。そして今の自分に力をくれる場所である。あの頃の自分もそれなりにがむしゃらに頑張っていた。そして今の自分もあの頃と変わらずに頑張っている。老いは隠せなくて、きょうも道すがらのバスでは感慨にふける間もなく魂が抜けそうになっていたのだけど、自分がこの世に生まれ落ちて果たすべき役割があるとするのならば、それを全うできるように、悔いなくやりきれるように一生懸命にやっているのは確かである。胸を張って言える。

遅いペースで進んでいた紅葉がやっと色づいて、山容を綺麗に彩っている。身体は疲れているが、心は元気になっている。