ご縁。

ドラフト会議。この歳になってくると当事者感覚というよりはむしろ、親御さんの気持ちに近くなってくる。新人選手も多くは2まわりくらい年齢が違ってくるのだ。

毎年のことながら、指名選手を眺めていると球団ごとの傾向が見えてくる。そのなかでも地元志向も徐々に強まっているように思う。ファンが応援してくれる選手がチームの中心選手となり、ロイヤリティーが増すということは実際にあるのだろう。また、特定のチームや学校から特定の球団への指名が続くことで、この球団に入りたいならこのチームに入るのが近道、というようなルートも生まれてくる。単に実力を持っているからプロの世界で結果を出せるわけではなく、いろんなご縁を大切にできる選手こそが大成していくのだろう。

仕事もまた同じようなものである。努力をすることは当然のこととして、自分を引き上げてくれるような人や環境とうまく巡り合うことはけして偶然ではなくて、蜘蛛の糸のように目を凝らせば見つけられるものである。若い時は見えなかったものが、歳をとると見えてくる。若い頃から、無意識のうちに、自然とそういったチャンスをものにして、積み重ねてきた人だけが、たどり着ける場所、見える景色があるのだと思う。もちろん人生はいつからでもやり直せるものでもあるが。