貯金の取り崩し。

マリーンズの今季が終了した。順位はひとつ上げて5位、勝率も上がったとはいえ、8月以降の失速がひどすぎて、去年よりも後味の悪さが残る。夏前まで首位を伺うポジションにいたのが嘘のようだ。

終戦、今季のホームゲーム観客動員数が過去最多を記録したことがマリンビジョンに映し出されていた。確かに前半戦は好調であったし、急失速した終盤も福浦の2000本安打へのチャレンジや、こまめに行われた引退試合など、興行としては観客が入る要素が目白押しで、球団としてもイベントに力を入れていたように感じる。その成果が出たと言えなくもない。

しかし現実はどうだろうか。目先の観客動員数は稼げても、それは過去の栄光という貯金の取り崩しではなかっただろうか。今年偉業を達成した、もしくはチームを去ることになった面々と比べて、いまの主力には、ファンに愛され、確かな成績を残す選手が育っただろうか。そのあたりの点においては首を傾げざるを得ないのである。(明日に続く)