シンプルに。

真夏日続く。外を歩き回るとグロッキーになるのだが、空調の効いた室内に居続けるとそれはそれで夏を感じさせない。日が陰りはじめて、直射日光を受けなくなると、依然として35度近い気温ながらも、生暖かい風に包まれて、いくぶん過ごしやすくはなる。夏の夜、屋外のテラスにはベンチが出て、ビールを呷る人たちが鈴なりになっている。さぞかし美味しいことだろう。どんなごちそうよりも、身体を酷使した後の食事や麦茶、ビールほど旨いものはない。そうして、意識を失うように眠りにつくのがたまらなく気持ちよい。人間の生活なんて難しいことはない、シンプルなものなのだ。くだらないことで悩んだり、悶々としたりするのはよそう。真夏はそんな人間の奥底にある感情を呼び起こさせる季節である。

仕事も、それ以外のことも含めて、カバーすることの範囲が広がると、いちいち細かいところまで見ていられなくなる。全てを網羅することはどこかで諦めて、全体としてうまく回っているように、さじ加減をしていくことがマネジメントの役割になる。複雑になればなるほど、シンプルに、シンプルに、ということを心がけるのである。