大判焼。

一気に寒くなってきた。保育園への道のりは息子も寒そうだ。風よけのカバーをすれば寒さはいくぶんしのげるのだが、後部座席に座らせてカバーを閉じると息子としゃべることはほぼ不可能になる。それはなんとも悲しい。

登園の道すがら、商店街の入り口に大判焼の店がある。夏の頃はずっと閉店していたが、1か月くらい前から営業が再開した。クリームだったり、あんこ入りだったり、保育園からの帰り道はお腹が空いていることもあって、ついつい立ち寄って買ってしまう。

帰宅する頃には、大判焼も冷たくなってしまっているので、もう一度レンジで加熱する。加熱された「たね」は、生き返ったかのように湯気を立てる。

大判焼といえば、僕にとっては「御座候」である。子どもの頃よく行った百貨店の地下で売っていて、買いものの帰りに食べたことを思い出す。名前も、シロモノも少し違うけれども、僕にとって御座候が思い出の味であるように、息子にとってこの大判焼が思い出の味になるだろうか。