郷愁。

久しぶりに実家へ。3階建ての戸建はとにかくよく冷える。なかなか熟睡もできず、夜中に起きてしまう。とにもかくにもいまの住居以外では睡眠の質が落ちてしまう。


午前中、少し野暮用があったので生まれ育った街をぶらつく。来るたびに、なんだか街が小さくなっていくように感じる。古い長屋は取り壊され、マンションが建設されたり、真新しい戸建が立ち並びはじめている。なかなか時代の流れに抗って変わらなかったこの街も、ようやく少しずつ変化が起こっているようだ。そして、えもいわれぬ感情が湧き上がってくる。


もうこの街で暮らすことはないと決めたのに、郷愁の情が湧き上がってくるのはなぜだろう。いつしか自分が小学生だった頃の親の年齢に近づき、そして追いこそうとしている。いまさら時間は戻るわけはないし、戻りたいとも思わないのだけど、なぜか後ろ髪をひかれる。


大阪の街は東京よりもより、高齢者に寄り添った街のように思える。若い頃はそれがなんともイヤだったけれども、今くらいの歳になってきて親和性を感じるようになるのは、自分が年老いたことの証左かもしれない。