異動。

10月は異動の季節である。今回も1割くらいの人が動いたと思われる。ショックを受けるような異動を突きつけられた人もいるし、存外の抜擢を受けた人もいるだろう。そして異動が良かったかどうかは、その瞬間には判断できるものではなくて、数ヶ月経ってじんわりと実感してくるものでもある。


このように定期異動がある組織にいることが多くなかったので、こういう機会は新鮮なのだが、確かに目の前の環境に閉塞感を覚えているような人にとっては、定期的に異動があるというのはある種の希望なのだろう。あと半年、1年我慢すれば道が開けると思うとやり過ごせることもある。そういうこともない組織ならば、会社を辞めるしかないからだ。


一方で、いまの業務自体、定期的に異動して慣れたと思ったらまた新たなポジションでイチから学ぶ、というほど生易しいものではなくなっているのも確かである。もっと言えば、それでもこなせるような業務は、もはやいまのの世の中では差別性も価値もないのかもしれない。お客さんのことをないがしろにしているようにも見える。弊業界が衰退しつつある一因を見たような気もする。