グレートトラバース。

こころ旅が放映されていない時期に朝の時間帯に放映される「グレートトラバース」をついつい見てしまう。


もう登山靴に足を通さなくなって8年くらいになる。結局のところちゃんと山に行っていたのは4年くらいだったけど、いまから振り返ってみれば楽しかった。あと10年すれば心置きなくまた山行できる日々も訪れるのかもしれない。


先週末の日高山脈縦走の回は印象に残るものであった。4月とはいえ厳冬期となんら変わらない北海道の山、さらにナイフリッジのような稜線をひたすら進む光景には痺れる。昔の山行、そして滑落した記憶などを思い起こしてドキドキしながら観ていた。


山に行くと、平地で当たり前のように暮らしていることがなんと幸せなことかと噛み締めることができる。森林限界を超えて生物の気配がしないようなところで山に挑むのは、さながら少し死を体験しているようなものである。無事に生還すると、生のありがたさを実家する。


しばらく忘れていた感覚を取り戻したような気持ちで、目の前のいまやるべきことに取り組みたい。