珍しく夜の23時すぎまで話しこんで、ホテルに戻る。1日にいろんなことがありすぎると、交感神経が昂ってなかなか眠れなくなる。ここ1週間はそんな日が多かった。それなりに疲れているはずなのだが、目を瞑っても脳が落ち着いてくれない。
そのうちに強い雨が窓をたたきつける。自分が滞在しているエリアは幸運にもここ数日ほとんど雨に降られなかったが、太平洋沿岸は断続的に雨が降り続いて河川も増水している。無事に帰れるだろうかと気を揉む。こういうときは体系的な考えごとはできなくて、同じフレーズ、同じ悩みごとがずっと頭のなかをループし続ける。
ふと、起き上がって窓の外を見る。都会の灯りがずっと先まで煌めいている。この街でこれからどんな気持ちで過ごすのだろうか、とぼんやりと考えながら、時間をやり過ごす。そのうちに東の空が明るくなってくる。寝不足なので、動きものっそりとしている。
バスタブに熱い湯をいれて浸かる。少し頭がシャキッとする。帰路も、これからのことも、なるようにしかならない。考えていてもしょうがないのだ。