宮内庁。

宮内庁長官が、「天皇陛下は五輪開催に伴う感染拡大を心配していると拝察される」というコメントを出している。これは、本当に状況を憂慮しているケースと、宮内庁長官がスタンドプレーでコメントしてしまっているケースの両方が考えられる。


いずれにせよ、コメントは宙に放たれてしまったので、小さくない影響力を持つことになる。何度も考慮を重ね、天皇の政治利用にならないギリギリのラインを狙った発言であると信じたい。長官の一問一答を読む限りはそのように受け止められる。


このことについてセンセーショナルに受け止めることは控えたい。懸念をすることと、失敗を願うこと、開催自体を呪うこととは分けて考えねばならないし、後者のような態度は適切でない。ただ、どのような思慮に基づいてこのようなコメントがなされたか、ということについてはしっかりと思いを巡らせ、考えるしかない。


しかしながら、ちょっと気持ちは楽になったような気もする。なんにせよ、なにが起こっても淡々と受け止めて持ち場を守るのみである。