見たいものだけ。

SNSが発達した結果、人々は自分の見たいものだけを見るようになった。それ以前の、マスコミが好きなように洗脳報道をしていた時期も異常といえば異常だったのだが、結局そういうものが取っ払われてみながそれぞれに好きな情報を取れるようになっても、事態はあまり変わらなかった。


そうして各々の思考が固まってしまったので、なにかを論ずるときも自分の主張に沿った結論になるように組み立てることばかりを見るようになったし、違う立場の人どうしで議論を交わしてもいっこうに平行線になってしまった。そうすると、議論しても無駄だと思う人が増えて、ますます違う意見の人と交わる機会が減る。もしくは、はいはいと従順にあいづちを打ってくれる人や同じ意見の仲間だけと付き合うようになる。さらには政治的な話題を世間話などに持ち出すのもはばかられるようになる。


この分断の行き着くところはどこなのだろうか。なにが正しくてなにが間違っていたのか、裁きが下される日は来るのだろうか。なにもわからないし、下手に願望を持つのも意図せざる結果を招きそうなので、思うことは全部胸のうちにしまっておく。