成長の瞬間。

スケートの話でもうひとつ。息子は初めてのスケート体験で、なかなか苦闘していたようだ。うまく歩けないし、転んだときも自力で立ち上がるのが難しい。


こういうときに親がついていると、ついつい手を繋いで滑ってあげたり、立ち上がるときに引っ張りあげようとしてしまうのだが、やっぱりそれは彼にとってあまりプラスにはならないことだと感じた。なんでもやってもらえると思ってしまい、頼る癖がついてしまうと、いっこうに自分の身につかないのである。


息子はスケートの最後のほうは、あまりに頻繁に転ぶのでいささかやる気を失ってしまっていたのだが、そういうときにいかに自分自身で気持ちを奮い立たせて、壁を乗り越えていくかが、ヒトが1番成長できる瞬間なのだと思う。誰も助けてくれない、自分でやるしかないのだと気づき、小さなことからでも積み重ねていくヒトこそが、本当の自己肯定感を備えたり、自分の得意技を身につけたりすることができるのだ。


そういう意味では、要所ではそばにいてあげながらも、普段は少し離れたところで見ているくらいが、親子間としてはちょうどよいのかもしれない。子どもは親の見ていないところでこそ成長する。