議論と対話。

分断のひどい社会である。政治ひとつとっても、人それぞれの立場が極端なので、議論が成立しづらくなっている。


雑談で政治的な話をするのはタブーに近い。思慮深い人ならば自分のポジションを取ることを避ける。たとえばわたしからみて年上や目上の立場にある人で遠慮のない人であれば持論の展開がはじまるが、そうなると反論の余地はなく、「そうですよねえ」とあいまいなあいづちを打つだけになってしまう。そこで反論することは、たとえそれが正論であったとしても、相手の機嫌を損ねるだけの結果に終わってしまうので、あえてそのようなリスクを取る必要性もないからだ。好きなようにしゃべってもらうことで相手に気持ちよくなってもらうか、相手の考えを知るための観測気球か、政治的な議論とはもはやその程度の役割しかないのかな、と思う。


もはや議論をして相手を負かしても、それは相手の考えを動かしたことにはならないし、なんの意味もない。建設的な対話ができればまだよいのかもしれない。そこに至るにはなにが必要なのだろうか、と考えている。