クルマで芦花公園のあたりを訪れて、えもいわれぬ気持ちになった。このあたりに友人が住んでいたのは、2007年から2012年くらいまでの期間だったろうか。大学時代の延長のノリで、よく遊びにいっては、夜な夜な鍋をつついたり、床で雑魚寝をしたりと時間を過ごした。
大学時代はおろか、20代だったあの頃すら遠い彼方になってしまったのだなあとため息をつく。まだギリギリ何者でもなかった時間。自分というものも定まっていなくて、なおかつ景気も急激に悪くなり始めていて、なかなか先の見通しも立たなかった時間。それでもまだ、あり余る若さとこれからどうにでもなっていくさという希望があって、将来への不安なんてまだみじんも感じていなかった。
あれから幾年月、確実に歩みを進めた部分は確かにあるのだけど、その分自分の可能性は狭まったという確信もある。何度サイコロを振っても5や6が出たような時は既に過ぎ去り、1や2しか出ないなかでも、気落ちせず努力をつなげていくことが重要になった。自棄になって好き放題やることもなかなかしづらくなった。
そういう年頃でも、またこれはこれで味わいもあるのだと信じて、まだ歩みを止めない。