10年の日に。

震災から10年、なのだ。


2011年は本当にいろんなことを考えた年だった。おりしも、東北のお客さんをたくさん担当していて、いろんなことも目の前で体験してきた。もう時効だから言ってしまうけれども、当時の同僚や上司の自分勝手さに失望したことも多かったし、自分ひとりだけで正義らしきものを掲げて戦っているつもりでもあった(それもまた独り善がりなものだとはいまとなってはよくわかるが)。


紋切り形にぶったぎるわけではないけれども、東北の人たちはどこまでも純朴で、首都圏の人たちはこすっからいな、と思わせられることも多かった。それでも残酷なことに、10年経って東北、特に太平洋沿岸部が復興したかというとそんなことは全然なくて、やっぱり時間は止まったままだし、人口減という身も蓋もない問題に直面している。そうして、今回のCovidをきっかけにいよいよ福島以北はその大半が壊死し始めているようにも感じられる。


無力感もすごく感じるし、ここからなにか一発逆転が起こることなぞあるのだろうか、とやっぱり考えこんでしまう。それでも、僕もまた東北には関わり続けていくのだろうと思う。