秋雨。

地下鉄の出口を出て、淀屋橋の交差点のコーヒーショップで佇んでいると、にわかに雨が降り出した。雨が降るなんて思ってもみなかった。

きょうは分刻みのスケジュールだ。次の予定を気にしつつも、ひとつひとつのアポを大事にまとめていかなければならない。緊張度合いを高めて、冷たい雨のなかを早足であるく。

時たま、なんのためにこれだけあくせく働いているのかわからなくなることがある。でも、だからといって、歩みを止めることは自己否定をするようなものなのだろう。意識して休みも取ったり、休みの日は完全に仕事のことは忘れるようにしながら、まだまだあくせくやっていくのだろう。

いよいよ、個人的にもマーケットとしても、働きざかりの数年が訪れそうな気配が強まってきた。どこまで自分はやれるだろうか。仕事のペースを今まで通りにうまくハンドリングできるだろうか。

少しやり残した感覚を持って、夕方の大阪の街を歩く。追いかけてもすり抜けていく案件のように、お日さまがそそくさと沈んであたりは暗くなっていく。いつもなにかしらの不安を抱えながら、それでも笑って歩いていくしかないのだ。