災害。

4年くらい前だったか、オフィスにいるときに緊急地震速報が鳴り、奈良で震度7という表示がiPhoneに表示されてビクッとなったことがあるが、本当に関西で地震が起こった。震度6強である。

自然災害が起こったときに特有の精神状態というものがあって、ひさびさにそんな状態にある自分自身を感じた。東日本大震災のこともあって、まだ記憶に新しい感覚である。

直接的にせよ、間接的にせよ、人は生命の危険を感じたときに普段と違う思考回路が動く。東日本大震災を機に少なくない人が自分のキャリアや人生を見つめ直し、新しい道を歩みはじめたのはその象徴的なものだろう。

穿った見方であることは百も承知だが、自然災害とは、人にそういう転機をもたらすがためにやってくるものなのかもしれない。それはある意味では自然界からのメッセージである。アクシデントを機に、他人の本性も、自分が持つアイデンティティも揺さぶられて丸裸になる。そうやって、見えてくるものや気づくことがある。