裏切り。

思わぬ展開から、長年お世話になっている人を裏切る形になってしまった。自分自身の判断が甘かったところもある。大きなことを成し遂げるには、当事者間のなかで誰かを必ず多かれ少なかれ裏切らなければならないことがある、というのは真理ではあるが、今となってはもうちょっとうまくやれなかったものか、とも後悔している。


ただ、自分自身の性格上、裏切っておいて知らん顔を決め込む、ということもできない人間なのだ。結局裏切ってしまった人にこまめに連絡をとってしまい、取り返しのつかないポイントに至る前に小出しに折衷案を提示してしまう。とことんドライにはなれない自分がいることもよくわかった。目の前の手柄を独り占めすることよりも、長年の付き合いが絶たれてしまうことがやっぱり嫌なのだ。たとえ、今後その人と付き合い続けてももうメリットはないだろう、と思ったとしても、そういう判断軸で関係を切ってしまうことはできないのだ。


不器用で、この業界に生きる人間としてはセンスがないのだろう。それでも、これが自分なのだと胸を張っていく。