リアル。

ここ1年くらいで生まれて初めて、「死ぬ」ということをリアルに意識し始めた。思えば実父が軽い病に倒れたのも確か38歳か39歳の頃だ。身体の機能は着実に衰えはじめているし、なんというか、最低限人生でやりたかったことは2020年までにやり尽くした、という気持ちもある(もちろん、やり尽くした、というのは単なる錯覚で、まだまだ表面しか触れていなくて、ちゃんと掘るべきことはたくさんある、という指摘を甘んじて受ける用意はある)。


そういう意味では前にもまして欲はなくなってきたし、他人をおしのけてまでのしあがりたいという気持ちも、リスクの高い賭けにあえて挑もうという気持ちも少なくなってきた。ただ淡々と、自分の持っている知見を生かしてアービトラージを確保するか、ということに腐心するようになってきたし、周りの人間に感謝して、彼らのために自分はなにができるか、ということに前よりもフォーカスするようになってきた。もう、自分の残りの人生自体おまけなのかもしれない。


「死ぬ」ことへの恐さはまだ残っているし、さすがに親より早く死ぬわけにもいかんなとも思っているが、ちょっとずつ、死は近づいてきているのだと思う。