好きなことを。

コロナのさなかではあるが、父親がまた関東に旅行にきている。趣味の蒐集のための旅行で、しかも友人と夜行バスに乗ってやってくるという。御年68歳でよくやるよなあ、という感想しかない。まあでも、他人に迷惑さえかけなければ好きにやればいいのだろう。


子ども独立して孫の顔も見たし、親の介護も終わったし、人生としての務めは全て果たしたのだろうから、もう思う存分好きなようにすれば、という気持ちになっている。いちいち咎めるような気持ちも全くなくなった。


むしろ、やりたいことがあるだけいいのかもしれない。朝起きても一日やるべきことがないというのは精神的にもよろしくない。よく公務員で定年退職後にすぐに病気になってしまったり、ギャンブルにのめりこんでしまったりする話を聞くが、仕事で人間関係を築きづらい人の老後の生き方は、ひと工夫意識を高めておかなければけっこう行き詰まってしまうものなのだろう。


人間、究極的にはわかりあえない存在なのだ。無理に全てわかりあおうとせず、好き勝手にそれぞれが生きるくらいでちょうど良いのだと思う。