秋の夜。

有楽町のガード下で飲む。ドイツビールなんて久しぶりだ。もうだいぶ寒い季節になってきて、暖かい店のなかで飲むビールは格別だ。そういや、昨年末は六本木ヒルズのクリスマスマーケットに行ったっけ。


早い時間から飲み始めたので、途中で仕事の電話がいくつかかかってくる。マスクをつけて、手指を消毒して道路に出て電話をする。寒いので、お店の排気ダクトのところに立つ。ダクトからは、調理場から流れ出たであろう、匂いをまとった暖気が吹き出してくる。


お相手がしこたま飲んで、こっくりとし始める。いま無理に起こしても頭が痛いだろうから、少し眠ってスッキリしてもらうほうがよかろうと判断して、20分くらいはそのままにしておく。そうするとおもむろに彼は立ち上がって、お会計へと向かう。


店を出て、酔っぱらいをタクシーに押し込み、ひと仕事を終えると、ちょっと散歩をしたくなっててくてくと歩く。最近は季節が良いこともあって2-3駅くらいはよく歩いている。電話などをしながら歩いているとあっという間に数十分が過ぎる。木の葉が舞って、秋がどんどん深まっていく。