親育て。

うちの子が最近よく言うのは「⚪︎⚪︎しろって言われたから⚪︎⚪︎をする気を失くした」という台詞である。小学1年生にしてはなかなかに複雑なことを言うものである。


それまでも早くしなさいだとか毎日口を酸っぱくして言っていたのだが、最近まではそれに反論する言葉を持ち合わせていなかったのであろう。もしかすると、反論ができないでいるということがストレスだったのかもしれない。それがいま前述のような切り返しという形で具現化している。


そんな台詞を吐かれると、「⚪︎⚪︎しなさい」という言い方はもう通用しなくなる。大人としては、パワープレーで乗り切るわけにもいかないので、もっとマイルドに、彼がやる気を起こさせるように言葉を選ぶしかなくなる。息子もなかなかに考えたものだ。親にも成長させる機会を授けているようなものだ。


結局ガミガミ言ったところで子ども自身に伝わるものでもなく、いかに彼自身で「早く⚪︎⚪︎したほうがよい」ということに気づけるか、なのだと思う。気づきを自分で掴み取る、というのは親にとってはたいそう忍耐のいることだが、それもまた子育てであり、親育てでもある。