2013年の上原浩治。

上原浩治、引退。100100ホールド100セーブを残した稀有な選手でもあるが、それ以上に要所で記憶に残るパフォーマンスを見せた印象が強い。


ルーキーイヤーの活躍、その年の最終戦でベンチからペタジーニへの敬遠を命じられた際の悔しそうな振る舞いは今も鮮明に思い出せる。大学進学時に1年浪人しており、受験勉強と筋力トレーニングとアルバイトとを両立して捲土重来を期した時間が、その後の人生に大いに影響を及ぼした、というエピソードからも学ぶことが多い。不遇の時期こそが力を蓄え実力を伸ばすまたとないチャンスなのである。


そして彼の真骨頂は2013年のシーズンだろう。シーズンを通して神がかった活躍を果たし、特にポストシーズンでは自分の野球人生の全てを振り絞るかのような投球が続いた。毎日のスポーツニュースを見ていても、彼の気持ちがびんびんと伝わってきた。


引き際の潔さも含めて、彼らしさが本当ににじみ出た野球人生だったと思う。あそこまでオリジナリティを出せる人間になりたいものだと思う。