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毎年7月中旬は新聞のスポーツ欄下段、朝日新聞のWebページに毎日30分近く釘づけになる。夏の高校野球予選が最もピークを迎える時期だ。4000校近くの出場校が一気に49代表に絞られていく過程は、本大会よりも興味深く数え切れないドラマが詰まっている。僕にとっては本大会はむしろ余興のようなものだ。

都道府県の常連校、なぜか毎年気になる特定の学校、自分自身や知人の母校、それら全ての結果を把握しないと気が済まない。小学校高学年で新聞を読みはじめた頃から見続けているように思う。まぎれもなくマニアである。

6月も後半に差し掛かる頃、沖縄と北海道の地区大会から幕を開ける。それぞれの道県の予選スタートが早い理由は、梅雨明けが早かったり、梅雨のシーズンが存在しないことに加えて、甲子園までの距離が遠く遠征準備が大変なために、早めに出場校を決定させて準備期間を充分に取れるようにするため、と聞いたことがある。選手たちはともかく、他の生徒や地元の応援団が大挙して関西に向かうとなると、金銭的にも大変なのだろう。そもそも沖縄県予選ですら、離島から本島に移動して試合を行うのは大変であり、勝ち抜いたからといって本島に泊まり続けるわけにもいかないため、沖縄県予選に関しては原則として週末のみに試合が行われる。北海道についても、地区別予選を勝ち抜いた南北16チームずつが、札幌もしくは旭川での本予選大会に出場する仕組みになっている。

7月に入ると、九州、東北の各県予選がスタートする。首都圏各県や愛知、大阪といった激戦区の予選が本格的にスタートするのは期末テストも終わった10日ごろから。ピークの日には1日で400試合以上が行われ、結果を追いかける方も必死である。

20日までには沖縄と北海道の代表が決まり、次いで東北と九州各県の決勝が行われていく。この頃になると各都府県ともにベスト16くらいまでに絞れてきており、結果のチェックは楽になる。しかしながら、実力の伯仲した熱戦が多くなり、レベルも上がってくるため、結果を追い掛ける側の気持ちも熱くなる。そして7月最後の週末にかけて、多くの都府県予選が終わりを迎える。時々天候不順により順延が相次ぎ、予選が8月にずれ込むこともあったりして、関係者でもないのにハラハラすることもある。

今年の予選を見ていると、意外にも名門と呼ばれる高校が敗退している傾向が強いように思う。和歌山県予選8連覇中だった智弁和歌山が早々と姿を消したのは衝撃で、その他にも北北海道、青森、群馬、長崎、福岡、東東京などで有力校の敗退が相次いだ。代わって、じわじわと公立校や、以前名門と呼ばれた古豪の高校が復活してきているようにみえる。以前よりは野球留学が減り、力のある選手が地元の高校で甲子園を目指したい、というケースが増えてきたからではないだろうか。近年プロで活躍している顔ぶれをみても、バリバリの名門校出身よりも無名校でじっくりと力を付けた選手が増えたように思う。

49代表が出揃うまであと少し。目が離せない季節がもう少し続く。