清原。

先週末、酔っぱらって家にたどり着くとテレビには清原和博の姿が映っていた。もう表舞台で清原の姿を見ることはないと思っていたので、少しの驚きをもって最後まで番組を見た。一時期に比べれば身体もすっきりしていたし、気のせいか顔つきには力が戻っていた。気の迷いも吹っ切れたのだろうか。

清原と言えば高校時代の華々しい活躍、ライオンズ入団の経緯とスターへの飛躍、ジャイアンツに移籍してからの苦闘、そして引退と見どころの多い野球人生を歩んできたが、僕の心に残っているのはバファローズ移籍1年目の満塁ホームランだ。ベイスターズクルーンが投げた快速球を弾き返したボールが、ゆっくりと神戸の夜空に舞い上がり、スタンドに着弾する模様は美しいとしか言いようがない。近年のことなので動画も残っているので機会があれば是非見てほしい。

あの時点で既に身体も心もボロボロになっていたはずだ。それでも清原はあれだけの人を感動させるホームランを放ってみせた。ここ数年も自らの過ちを含め辛い時期が続き、清原は終わったと言われていた。つまらない幕引きなんかせずに、なんとかもう一度やり直してほしい。人は何度でもやり直せる、立ち上がることができるということを一番体現できる人だと思っている。