貿易戦争。

令和に元号が変わってからの今週、日本の株価は毎日下落を続けた。10連休中に大きな下げがあるのでは、という話もまことしやかに囁かれていたのだが、蓋を開けてみれば、平日に入ってから世界のマーケットが激しく動きはじめた。その最大の震源はなんといっても米中貿易戦争である。


構図からすれば米国が中国を締め上げにかかっている。米国のマーケットも返り血を浴びて沈んではいるが、トランプはおそらく変に妥協することはないだろう。日本も例外なく連れ安になっているが、これは致し方ない。


そして中国のマーケットはというと、不思議なことに昨日は大幅高で終わっているのである。ひとつには、報道統制が敷かれており、中国国民は関税引き上げのニュースを知らされていないということがある。しかしながらどこまで情報をうまく遮断できるものだろうか。もうひとつは、中国政府系のファンドが買い支えているのでは、という憶測もある。これもなかなか苦し紛れに見える。中国の民衆がこの事態に気づいて憤れば、習近平体制が揺らぐ結末すらあるのではないだろうか。にわかに世界は緊張感を帯びてきた。