テレビという麻薬。

先週は比較的朝がゆったりとした日が多くて、支度をしながらテレビをつけていた。普段テレビは朝ドラだとか、NHK-BSの限られた番組しか見ないのが、久しぶりにワイドショーを見てしまった。

だいたい流れていたのは例の反則タックル問題である。フリップを大仰に作って話してくれるのだが、正直に言って胸焼けするような内容であった。

特に勧善懲悪がはっきりしている内容であるがゆえに、今回の件での悪役側のほうに、コメンテーターなども揃って厳しい言葉を投げる。番組を見続けていると、悪役側への憎悪がどんどん自分の心のなかに渦巻いてくることを感じる。チャンネルを変えても全く同じトーンで放送されている。

これはまずいと思いあわててテレビを消した。これは一種の刷り込みである。もちろん悪役側が悪いことには間違いないのだが、いまのメディアは感情を増幅させるための装置になっている。自分自身の価値観で深くものごとを考えることからどんどん離れていってしまう。

僕自身もまた、その毒に侵されていることを否定できない。