大阪とイタリア。

また出張で大阪にきている。大阪の街を歩いていたり、テレビのローカル番組なんかを見ていると、いつも首都圏とは違う独特さを感じる。この独特さ、世界のどこと似ているかなあとふと考えてみたら、もしかしたらイタリアかも?と思い当たった。


まあ首都圏も遅かれ早かれ直面する状況なのかもしれないが、大阪はもはや過去栄華を誇った電機、繊維産業は見る影もなくなり、医薬すらプレゼンスを失いつつある。政治も全国的にみてもひどい体たらくである(だからこそ維新が伸びたとも言える)。輝かしい歴史はあるのだが、いま売り物になるものはあまりない。いまなおミナミは半グレ集団の巣窟になっている。それでもなんだかんだで経済はまわっているし、いっこうに物価が上がらないなかでみなそれなりに生きている。とはいえ、グローバルスタンダードからすれば取り残されているがゆえに、割安感があり海外からの観光客はどんどん流れ込んでくる(特にメシは安くてうまい)。これだけ東京に引き離されているのに、大阪に住む人たちはまだまだ大阪はイケてる、勝負できると思いこんでいる気質もなかなかである。


実にイタリアらしい。これはこれでひとつのカタチだと思う。いまさら東京を追いかける意味もないしね。