詰め物。

週末に歯医者に行った。ここ半年くらい歯石除去をしていたのだが、今回から左上の歯ぐきにできた小さなこぶを治療することになった。

こぶの直下にある歯は十数年前にむし歯の治療をして、詰め物が被せられているのだが、どうやら残っている歯と詰め物の間に雑菌が侵入したことで、その膿がたまって、こぶができているらしい。ただ、本当にどのような状態になっているかは、詰め物をとってみなければわからない、ということだった。

歯科医は専用の器具を使って手際よく詰め物を取っていく。鉗子のようなもので、引っ張ると詰め物は取れた、とともに、詰め物と歯の間に残っていただろう空気がポワンと姿を現した。恥ずかしい話だけれども、自らの鼻にも十分届く臭気を放っていた。密閉された、おそらく雑菌もある空間だからしょうがないが。長い間開封されずにいたタイムカプセルや、考古学者が宝箱を開けるようなものだ。残念ながら思い出の品や宝物が入っているわけではなく、雑菌が入っているのだが。

ひとまずは、薬を打って、仮の蓋をかぶせて次回の治療に続く。