卒業。

Facebookに大学の卒業式のポストが流れてくる季節になった。若い人たちが大きな区切りに到達して、新しい世界に飛び込んでいくあのなんとも言えない甘酸っぱい感覚、感謝と誇らしさと気恥ずかしさと後ろめたさとこれからに対する不安とやってやるぜという気持ちがグチャ混ぜになった言いようのない感情が伝わってくるし、自らの記憶も呼び起こされてくる。

あれから時間は流れに流れた。高校や大学といった場所には明確な区切り(延ばすこともできるが)があって、いやがおうにも区切りやその先のステージを意識したものだが、社会人になってからは、自分で能動的に区切りを作り出さなければ、ただただ時間は緩慢に過ぎ去っていくだけだ。たとえそのなかで過ごした時間が濃密なものであったとしても、区切りのない世界で長い時間を過ごしていると、自分自身にある種の腐臭がまとわりついてくることに気づく。

いまちょうど、僕もまた区切りをつけても良いタイミングなのだと思う。それは必ずしも物理的に属する組織を変えるだけではなくて、今まで染み付いた、ルーティン化してしまったものをいったん手放す時期にきているのだと思う。