べっぴんさん。

今クールもまた朝ドラを見ている。10月から始まった「べっぴんさん」は、多少の苦難はありつつも、もともと恵まれた家庭に育った女性たちが会社を立ち上げる話である。これまでの朝ドラと比べればドタバタ感もなく淡々とストーリーが進んでいくので、見る側も淡々と追っているだけだったのだが、今月に入ってがぜん面白くなってきた。ストーリーの裏テーマとして、女性をめぐる諸問題がじんわりと描かれていて、心を揺さぶられることが多い。

先週は良子ちゃんの息子の龍ちゃんの問題を軸にしてストーリーが進んだ。龍ちゃんはおそらく現代ではADHDと診断されるのだろうか、良子ちゃんと勝次さんの苦悩は身につまされる。ベテラン乳母の喜代さんの助言は、暗闇にさす一条の光のようなものだったろう。朝の忙しい時間にも、思わず見入ってしまった。

その他にも、明美さんの独身、のりおさんの挫折、やたらと息子と孫に干渉するおばあさんなどなど、琴線に触れるようなシチュエーションが多い。朝ドラはいつも後半に進むにつれて作品にのめり込んでしまう。