強い気持ち。

夏が戻ってきたような蒸し暑い天気にややげんなりしつつ、淡々と仕事をこなす。今週でピークシーズンが終わるが、今シーズンは全く忙しくなかったので、拍子抜けしたままでまた新しいシーズンのはじまりを迎える、というのが正直な気持ちだ。

気持ちがふわふわしているときまって、ろくに成果が上がらない。強い思いをもって、それを行動に落とし込んだ時にだけ、神様は味方をしてくれる。だから、ふわふわした気持ちで宙ぶらりんな状態のいまは、休んでいるくらいがちょうど良いのだと思っている。

ヤニ臭い喫茶店のカウンターで、とりとめのない話をしているうちに雨が降ってきた。もう一度、次のシーズンを、今度こそ強い気持ちをもって走り抜けられるようにと思いながら、通り雨が過ぎ去るのを待ち続けた。

雨の止んだ通りにはもうもうと湿気が立ち込めている。乾いた秋風が、この湿気をどこかに吹き飛ばしてくれたら、僕もギアを入れ替えてもう一度走り始めようと決心して、とぼとぼと駅までの道を歩く。