転換点。

きょうはなんといっても英国のEU離脱に尽きる。日経平均株価の日中値幅1499円は過去最大ではなかっただろうか。しかもきょうは一方的な値動きではなく、国民投票の開票結果が発表されるにつれ、離脱と残留の思惑が交錯し、ジェットコースターのような乱高下を繰り返した。

昨日までの数日、マーケットはEU離脱はない、という結果を織り込みつつあった。それだけに反動がさらに大きくなったとも言える。これで米国の大統領選の行方も全くわからなくなった。

ここ数十年、グローバルな視点から経済をどう成長軌道に乗せていくか、ということに最も価値が置かれた時代が続いた。しかし、そうした時代が内包する問題、特に先進国内の格差が無視できないレベルになり、その不満が今回噴出したと言えるだろう。時代の潮目は大きく変わり、これからは必ずしも経済に最も価値が置かれない時代になるのではないか。

グローバル経済にとっては苦しい時代になるだろう。結局のところ大多数の人にとっても生活は苦しくなるだろう。とはいえ、それがイコール不幸な時代とまでは言い切れないが。これからの時代がどんなものになるか、目を凝らして見ていたい。