旧市街と新市街。

半年ぶりくらいか、前橋に出張する。高崎から在来線に乗り換えて15分。ゆるゆると走って到着した前橋駅は、改装工事に入っていたが、野暮ったい感じは変わらない。3番線のあるホームの向かい側には、本来4番線になるはずであった、高架路盤があるが、ここに線路が敷かれることももうないのだろう。

てくてく駅前を歩いて用を済ませ、きょうは別の場所に移動となるので、駅には戻らずそのまま市街中心部に歩いていく。駅前からの道といい、全くと言っていいほど県庁所在地の面影がないが、その感覚は街中に入っていくほど強まる。

シャッター街と化した商店街は、昭和の香りを残して、平日の昼間らしいゆるい空気が流れていた。経済的には沈んでいるのだろうけど、文化的な香りは充分に残っている。ただ、あと何世代も残らないような予感もする。

やがてやってきたバスに乗り込み次の街へ。中心部を抜けると、空が開けて、広い道に出る。ロードサイドの店の看板がにぎやかだ。どっちが異世界なのだろうか、と考えこむ。