在日。

仕事で付き合う人たちの中に、いわゆる「在日韓国人」の人も少なくない。たいていは苗字で分かる。特に関西には多い。

心のなかで『あっ、この人は在日だな』と思うことはあるけれども特にそれ以上の感情は湧かない。しかしながら彼らが日本社会で営むことのできる仕事の幅には制約がある。ただ、彼らのふるまいは、制約を制約と思わず、変に腐ってしまったり日本社会を斜に見ることもなく、真摯に仕事に取り組んだうえで、見事に結果を残していることが多い。

彼らは僕と付き合ううえでは、祖国のことなどは一切持ち出さないし、祖国に利益を誘導すること素振りも一切ない。あくまでも日本を根城として、そこで自分たちが生きていくために、精いっぱいに知恵を絞り、日本人に好まれるサービスや商品を生み出している。その結果として財産を築いていることをどうして責めることができようか。それを責めるのは、ただの僻みというほかない。

いままで、彼らに対して変な先入観を持つことが自分にもなかったとは言えないが、最近になってやっとそのような偏見を取り払うことができた。